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2018.9.11 (更新日:2022.7.23)
DM・ダイレクトメール略称で、送り手と受け手しかみることの出来ないツールとなっています。分かりやすく言えば企業からユーザーに対して送付するハガキタイプのものです。
ただ、昨今ではWEB広告が主流となっているので「今さらDMって効果があるの?」と疑問に思っているマーケッターの方も多いでしょう。でも、そのように思うマーケッターが多いからこそ、チャンスがあると思いませんか?
ここでは、効果の出るDMの作り方を詳しく説明していきます。
目次
ネット広告全盛期の昨今において、DMは配信する意味があるのでしょうか。
WEB広告だとリアルタイムの訴求が出来るので「今すぐ客」には絶大な効果を発揮します。ですので、開封されるかも分からないDMはその価値が下がっているように思っているマーケッターは非常に多いです。
しかし、それは間違った認識と言えます。
結論から言うと、DMはBtoC、特にone to oneのツールとして絶大な効果を発揮してくれます。
その理由は、見込み客の興味を確実に引くことが出来るからです。もちろん、ここには、見込み客の関心を引くコピーやデザインが必要になりますが、それは後で記述するとして、DMは今すぐ客だけでなく、まだまだ客、そのうち客ですら貴重な顧客へと生まれ変わらせることが可能となっています。
ここがDM最大の特徴なのですが、WEB広告だと広告の表示されたその瞬間しか訴求することが出来ません。しかし、DMは「郵送物」という物があり、それをユーザーが二度、三度目を向けることで、徐々に商品やサービスへの興味が増していくという仕組みが発生するのです。
実際、WEBマーケティングはここ10年で大きな発達を遂げていますが、その間にDMは一番発達したツールともなっています。また、従来のDMマーケティングは『DM単体』で行っていましたが、今ではWEBやメールと連携した使い方が出来るようになっており、さらに反応率を高めることが可能となっているのです。
加えて、DMの場合だと自身に向けて発行されたツールとなるので、ユーザーが「特別感」を抱きやすいといったメリットもあります。その他大勢ではなく「個人」として扱われていることに対して優越感を覚え、企業に好意を抱くからこそ、そのサービスや商品への興味が膨れ上がっていくのもインターネット広告には無いDMだけのメリットと言えるでしょう。
前項を読んで頂ければ、DMが今の時代でも反応の取れるマーケティングツールであることはお分かり頂けたでしょう。ですので、もしかしたら「よし、今すぐDMを出そう!」と鼻息を荒くしているかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
意気込みだけでDMを発行してしまうと、確実に失敗してしまいます。なぜなら、DMはWEB広告と異なり開封してもらって初めて効果を発揮するというデメリットがあるからです。
つまり、開封率を高める工夫を施さずDMを送ることは、単なる経費と労力の無駄使いで終わってしまうというわけです。では、どうしたら開封率を高めることが出来るのでしょうか。その秘策をお伝えします。
開封率をUPさせる為の、手っ取り早い方法は特典を付けることです。
例えば…
○月○日まで50%OFF
もう1本無料でプレゼント
など。
ユーザーにとって開封することでメリットがあると伝えることであり、その方法が特典というわけです。尚、ここで大切になってくるのが特別感を出すということです。
「○○してくれた“あなただけに」
とユーザーを特別扱いしていることをしっかりと伝えるようにしましょう。そうすることによって、DMを見た時点で、ユーザーは興味を持つので、開封する確率が高くなります。
DMが届いた時、一枚の薄っぺらい紙一枚か、それとも、DMに何かしらの商品が付いているか。あなたならどちらを好みますか。間違いなく、後者でしょう。このように、DMにサンプルを付けるドアオープナーと呼ばれる手法も開封率を上げるには適しています。
ドアオーブナーの方法はいくつかありますが、DMそのものに見える形でサンプルをつけたり、もしくは、封筒上のDMにして中にサンプルをいれてふくらみを持たせる手法もあります。
どちらの方法でも良いですが、いずれにせよユーザーからは「何かの商品」と認識してもらえるので、手に取ってそのままゴミ箱に行くケースは限りなく少なくなり、開封してもらうことが可能となります。
さらに、開封すると商品が入っているので、ユーザーは無料で提供してもらえたことに喜びを覚えて企業側に好感を抱いてくれます。開封してくれるだけでなく、好感まで抱いてもらえるのですから、まさに一石二鳥とはこのことでしょう。
いくら無料サンプルがついていたり、期間限定の特典があったとしても、DMそのものが開封しにくければ、人は積極的に開封しようとは思いません。ですので、いかにして物理的にDMを開封しやすくするかの工夫は忘れないようにして下さい。
例えば、DMをめくりやすい構造にしたり、ミシン目に加工をいれるなどです。
たったこれだけのことですが、それだけで、ユーザーは労力をかけずともDMを開封できるので、自然と開封率は高まってきます。
また、開封しやすいことも大事ですが、例えばDMの袋を透明にして中身を見せて興味を抱かせることも「開封したくなる仕掛け」になるので、開封率を上げる為の重要なテクニックとなっています。
DMはいつ出しても効果を出すことが出来るのでしょうか。
開封率の高いDMを作ることが出来れば、ある程度の成果は出せるでしょう。
でも、せっかくであれば、その効果を最大化したいところですよね。
その為に知っておきたいのが、DMを出すタイミングです。実は、DMを出すタイミングによって、結果には大きな違いが生じてきます。
ですので、今後DMを出すときは以下の点を意識するようにして下さい。
消耗品などであれば、企業側はお客様の商品がなくなるタイミングを把握できていると思います。ですので、お客様が以前購入した消耗品がなくなりそうな時期を見計らってDMを出すと効果的です。
扱っている商品が母の日やクリスマス、各種記念日などに関係する商品であれば、それらのイベント時期に合わせてDMを送ると効果を高めることが出来ます。人は、贈り物をする際に「何を送ればいいのだろう」と悩んでしまう傾向にあります。その時に「この商品が喜ばれますよ」と提示してあげることで、自然に購買に繋がってきます。
サービスを提供している企業であれば、満了時期が近づいた時にDMを送るようにしましょう。継続のサービスであれば、お客様は正確にサービス終了時期を把握していません。ですので、そのタイミングで送ってあげることで確実に反応を取ることが出来ます。
DMを送るとなった時に気になってくるのが「どの層に効果的なのか」ということです。イメージ的に、若い世代はネット広告、高齢者はDMと思いがちですが、実際のところはどうなのでしょうか。
実は、これは全くの間違いでDMは全ての年齢層に対して効果があることが、大手企業の電通の調査でも明らかにされています。
事実、日本の企業の広告費はWEB広告が盛んになる前からDMの広告費は今まで平行線を保っており、間違いなくニーズが存在しているのです。ですので「うちの商品は若い世代向けだから…」といった安易な理由でDMを出していないのであれば、これを機にDMによるマーケティングを行っていくことをお勧めします。
そうすることによって、今まで逃していた利益をものにすることも難しくはないでしょう。
さて、上記で「DMの開封率を高める」という視点でお話をしてきましたが、開封されればそれで良いのでしょうか。答えはNOとなります。なぜなら、DMのゴール地点は「開封」ではなく商品やサービスの「購入・申込み」となっているからです。
では、どうしたら購買意欲を高めることが出来るのでしょうか。
そのカギを握っているのがDMのデザインとなっています。
そして、刺さるデザインは、年齢層や性別によって当たるテイストが大きく異なっています。
例えば、20~30代の女性をターゲットとしたDMでは、色をふんだんに使ったカラフルなデザイン且つ、文字も可愛い感じのデザインだと反応が取れます。
高齢者を対象にしたDMであれば、和を基調としたデザインが好まれています。
この際、上の例であげたように、カラフルな感じだとかえって遠されてしまう傾向にあるので、ターゲットによってデザインを変えるのは重要な作業となります。
あと、若年層を対象にしたDMだと簡単な四コマ漫画を入れることで爆発的な反応を得ることが出来ます。昨今では、若者の活字離れが問題となっていますが、それでも、マンガというコンテンツを使えば、十分に御社の商品やサービスの魅力を伝えることが可能となるのです。
その他、購買率を高めるテクニックは以下の通りです。
デザインによる訴求が大事なのは言うまでもないのですが、その際「いかにお得か」ということは一目で分かるようにしましょう。例えば「50%OFF」というコピーがあったとします。
この時、ユーザーが反応するのは間違いなくこの数字ですので「50%OFF」の部分は一回り大きくして装飾を付けることがポイントとなります。
DMによる成果を左右するのがキャッチコピーです。キャッチコピーを一目見た時にメリットが分からなければ、間違いなく人は反応しないでしょう。ですので、その一文を読んだだけで「自分にメリットがある」と思わせることがポイントです。
それと同時に「これは自分に向けての商品だ」と分かることも大事です。分かりやすく言えば、男性化粧品を売るのに…
「98%が化粧ノリが良くなると実感!」
というキャッチはどうでしょうか。
間違いなく反応しないですよね。
でも…
「娘がカッコよくなったとベタ褒めするようになったメンズ化粧品!」
と言ってみたらどうでしょうか。
上記は、40~50代対象の化粧品としますが、高確率でターゲットは反応するでしょう。
このように、ユーザーに関係のある事柄であると同時に、何がどうなるのかがすぐさま分かることが刺さるキャッチコピーの条件です。
DMを作って送付して終わり。
それでは、DMによるマーケティング効果を向上させていくことは出来ません。ですので、DMを送った後は、必ず効果測定を実施するようにしましょう。ただ、DMはWEBのようにコンバージョン率を計測するツールがありませんので、人の手で行う必要があります。
アナログな方法となりますが、DMを送った後、顧客に電話を入れて「お手紙は読んで頂けましたか?」とアンケートする方法です。正直、地味で労力もかかりますが、この電話を機に成約に繋がるケースもあるので、手間暇かける価値はあるでしょう。
WEBから申し込みが可能な商品やサービスであれば、専用のQRコードをDMに掲載しておくのが良いでしょう。そうすれば、どこを入り口として成約に至ったかが直ぐに分かります。
DMで割引キャンペーンを行い「専用コード」を発行して、それを購入時に入力してもらうようにすれば、DMからの成約であることが分かります。ユーザーにとってみれば「割引コードの書かれた大事な手紙」と認識されるので、間違ってDMを捨てられるといったトラブルも抑えることも出来ます。
DMは古くから成果を出しているマーケティング手法であり、それはWEBマーケティングが主流となった今でも、確かな実績を残してくれます。
それにも関わらず「DMはもう古い」と思っているマーケッターが多いので、これを逆手にとって、今からでもDMによる販促に着手すればライバル会社が出来ていない層へのアプローチが可能となるので、競争に勝てるだけでなく、確実に売上をアップさせていくことが出来るでしょう。
ですので、まずは自社のターゲットを分析して、彼らに反応するDM作りから始めてみることをお勧めします。