AdVenture Space
2023.11.5 (更新日:2023.11.6)
「Galaxy Z Flip4」発売時に行ったキャンペーン。
ターゲットがGalaxy Z Flip4について調べることで特別な動画広告にターゲティングされるようになり、その動画広告を見た人にGalaxy Z Flip4をプレゼントするというもの。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=rhO5m7BodYA&t=3s
・商品が興味を持たれていない
・広告に嫌悪感を抱いている人が多く、普通に広告を出してもなかなか成果に繋がりにくい
・ミレニアル世代
・広告はうるさいので基本クリックしないし、鬱陶しいと感じる
・商品の良さが分からない
・タダでスマホがもらえるなら欲しいかも
・ターゲットが自ら商品について知ってくれるような仕組みづくり
→Z Flip 4をゲットするための動画を見るために、ターゲットは商品について検索する必要がある。その過程で商品の魅力を知ることになるので、広告感、押し売りされている感なく自然と商品のよさに気づき、気づいたら欲しくなっている状態に。
・特別な動画を見た人にスマホをプレゼントするという、正解動画のレア感
→希少性の高いものをついつい探したくなる人間の心理を活かしたアイデア。
・よくある抽選のプレゼントキャンペーンでなく、ターゲットが自発的に動くことで商品ゲットに繋がるキャンペーン
→人には「損したくない」という気持ちが根底にあるので、自分が検索をする(=自発的に動く)ことでプレゼントを得られる可能性が高まることが分かるとつい行動してしまうのではないか。
エンゲージメントは600%増加、売り上げは34%伸びた。
課題:
①広告を時間の無駄と捉える人が増えている
②企業の言うことは信用できない
ターゲット:ネットを多く活用する&タイムパフォーマンス重視のZ世代
ターゲットインサイト:
①インターネットを使う中で広告が表示されることが多く、広告が自分がしたいことの「邪魔」になっている。
(例)ずっとYoutubeで面白い動画を見ていたいのに、広告が入るため数秒間待つorスキップボタンを押さないといけない。
(例)購入品動画を参考にしようと思っていたら、案件だった。本当に良い商品かも分からなくなってしまった。
②「ある企業のもの」「特定の商品」と分かった瞬間にスキップする。
広告にひっかかる=プライバシーがないと考えるい人も増えている。
コアアイディア:
・人は「ノーブランドのもの」を好む傾向になっている。
・広告を“受け身で消費するもの“から“主体的に探しに行くもの“に変換した
・広告=買わされるではなく、広告=特典という認識にさせる
・自ら検索エンジンにgalaxyのターゲットであるように日々の検索傾向を変える(費用0)
・検索ボリュームを高めることで、あたかもユーザーの本心からの興味があると錯覚させる
・オーストラリア人は「無料=やったー」なのかもしれない(日本だったら成功していない?)
課題:
Galaxy Z Flip4の商品特徴である”折りたたみ可能”で地面において撮影することができたり、小さく持ち運べたりという機能的なベネフィットは多くあるが、市場での注目度は高い技術を要しているにも関わらず高くない。その技術力が購買に至る理由になっていない
ターゲット:
一方的な広告に嫌気がさしているミレニアム世代
ターゲットインサイト:
自らの商品の良さやアピールポイントを一方的に伝える広告が嫌で自らが良いと思えるものを買いたい
コアアイディア:
Flipという商品名から関連して、今までのリスティング広告であれば意図せず入れたキーワードに反応して広告が出てきたものをFlip(反転させて)、特定のキーワードでしか出ない広告を作成。
それに辿り着いた人にはGalaxy Z Flip4をプレゼントという宣伝をすることで、広告のアルゴリズムを使ったネット上の謎解きゲームのような体験に昇華させ、その様子を楽しむ人や過程を配信したり、考察を発信したりする顧客全員を巻き込むムーブメントを起こすことでPR効果を得る。
またキーワードを選定する上でGalaxy Z Flip4に関する情報を調べることになり、今までの課題のコアにあったGalaxy Z Flip4のベネフィットに対しての情報提供を能動的に行ってもらうことでターゲットの広告への嫌悪感を感じさせずに商品理解を促した。
広告嫌いのターゲットに対して、ターゲット自らがターゲティングされにいくような構図を作り上げたところにこのキャンペーンの凄さがあると感じた。広告がありふれている世の中で、こちらが商品の良さを押し売りするのではなく、ターゲットが商品に関して知りたくなる、欲しくなるようなワクワク感を演出することが大切なのかもしれない。
ターゲットをターゲティングさせるためのアルゴリズムの理解やキーワード選定など、広告運用者の立場から見ても興味深い。
※個人の見解です。