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2023.11.15 (更新日:2023.11.15)
2023年ヘルス&ウェルネス部門のグランプリ。
ニュージーランドの生命保険会社のPertners Lifeが人気のクライムサスペンスドラマThe Brokenwood Mysteriesとコラボ。
生命保険の加入率が低いニュージーランド国民に向けて、ドラマの毎回のエンディング前にその回の被害者が生き返って自分の人生の後悔と生命保険に入って入ればどう変わったかを話すコーナーを放送した。
出典:https://youtu.be/bWKWMcjA-68
・生命保険の加入率が低い(加入率は約28%)
・まだ生命保険に加入していない人
・生命保険に入るメリットや入らないとどうなるかなど保険についてよく知らない
・自分が事件や事故に遭うとは全く思っていないので、保険料がもったいない
・損したくない
・ドラマのエンディングという一番視聴者がテレビに注目している時間にミニコーナーとして保険の重要性を伝えるコーナーを放送したこと
→ドラマとのタイアップのキャンペーンはよくあるけれど、実際に放送時間内に何かをやるのはなかなかないので斬新。視聴者の注目を集めやすい。
・毎回誰かが亡くなるサスペンスドラマの特徴を生かしたアイディア
→そもそも人が生き返るというアイデアが面白い。ドラマ(フィクション)とは言え一度亡くなった人がこうしておけばよかったみたいに語るのは説得力があるし、視聴者がドラマとミニコーナーでの疑似体験を通して自ら保険の重要性を感じられる仕組みづくりができている。
国民の40%にリーチし、サイト流入は135%増、相談件数も75%増え、生命保険に興味のなかった層に興味を持たせることに成功した。
課題:国民の28%しか生命保険に加入していない
ターゲット:生命保険に現在加入していない人(引き続き継続してもらうという意味で加入している人も)
ターゲットインサイト:
・周りのみんなも生命保険に入っていないし自分も入らなくていいや
・生命保険に入っていて得した(入っておらず損した)という話を聞いたことがない
・生命保険に入るべき理由を把握していない。
コアアイディア:被害者が生き返って後悔など振り返ることで、視聴者に「もし生命保険に入っていたら…」をイメージさせる
課題:国民の28%しか生命保険に加入しておらず、生命保険が必要とすら思われていない
ターゲット:The Brokenwood Mysteriesを視聴しているユーザー
ターゲットインサイト:もし自分がこの人(ドラマ内で殺される人)と同じ目に合ったらどうなるんだろう…という不安
コアアイディア:
・ドラマ(架空)と生命保険(現実)を組み合わせることで、広告だという意識なく生命保険の重要性を伝えることができる。
・ドラマの延長線上で生命保険を紹介しているので、広告がドラマの一部になり、広告に対する嫌悪感なく見てもらえる
→日本ドラマの放送中に流れる広告で、主人公が車や商品を紹介しているのもこの手法と近いのではないか
生命保険のプロモーションで、サスペンスドラマとコラボする発想が面白いと感じた。「生命→死→サスペンス…」と連想ゲームのように関連するワードを出していくことで面白いアイディアにたどり着けるのではないか。また生きているうちにはその重要性を感じにくい生命保険という商材を、ドラマの登場人物を用いて視聴者に自分ごと化させることに成功したのはこのキャンペーンの凄さだと言える。
※個人の見解です。