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2018.6.28 (更新日:2022.7.23)
今回は「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」という本を紹介します。
最初にお伝えしておきますが、この本で森岡毅さんのファンになりました。
それ故に、この本は当然素晴らしく、現在買おうか迷っている方がいらっしゃるのであれば絶対に購入して欲しいと思います(ちなみにこの後に発売された「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」はもっと素晴らしいです)。
尊敬している理由は、自身のノウハウや思考方法を明快に言語化されていることに対する尊敬と、もちろんながらUSJやP&Gでの実績、あとは日本が大好きだということです(僕も日本が大好きです。この国で生まれたことを誇りに思ってます。微力でもこの国の発展に貢献したいです)
それ故に今回の書評にもバイアス(森岡さんを贔屓目に見てしまうという意味で)がかかっているであろうこともご容赦ください(笑)
今回は、こちらの書籍の購入を検討されている方の意思決定にご参考頂ければということで書評を書いてみました(というかもうこの時点で言いますが迷ってるなら買った方がいいです笑)。書評を書いたのは自分自身がアウトプットすることでより理解を深めたいという意味合いもあります。
マーケティング関連の仕事に携わる方はもちろん、全ビジネスマンに読んで頂きたいです。
この本で個人的に特にオススメしたい内容が戦略的フレームワークです(詳しくは「5、個人的に参考になった点は?」でお伝えします)。戦略的は直面している問題を解決するためのアイデアを生み出すフレームワークです。
ほぼ全てのビジネスマンが、自分の現状の仕事をよりよくする(アウトプットの質を上げる、より業務を効率化させる)必要性にかられているはずです。例え事務職の方であったとしても、より楽に(効率的)に仕事をするアイデアがあるのであれば欲しているのではないでしょうか。
戦略的フレームワークは、これまで多くのビジネス書に触れてきた僕が知る限りでも、屈指のフレームワークです。高品質なアイデアを効率よく見つけることを可能にします。
だからこそ、全ビジネスマンに読んで欲しいのです。
また、USJのサクセスストーリーとしても純粋に面白いです。
USJに行きたくなります(森岡さんの狙い通り笑)。
3、オススメ度は?(★10段階で)
8です。性格上7以上はなかなか付けないのでかなりオススメだと思ってください。
★★★★★★★★☆☆
※★のオススメ度は以下の通りだと思って頂ければ
★10つなら絶対買って欲しい
★9つなら後悔することはないでしょう
★8つなら超オススメ
★7つならかなりオススメ
★6つなら買って損なし
★5つなら「買ったほうがいいです」というレベル
★4以下のものはこのブログでは紹介しません
この本で書かれていることは主には「なぜUSJがV字回復できたのか」というサクセスストーリーです。そしてそのストーリーを通じて、マーケティングについて学ぶことができます。
ざっくりは以下の通りです。
そして、次の「5、個人的に参考になった点は?」で紹介しますが、
そしてイノベーションフレームワークを使ったことでできた
どの話も本当に読み応えがあるので是非読んで欲しいです。
ちなみに、森岡毅さんはこの本の目的としてUSJのPR、ひいては来場者数アップを意図していたと思うので、読んでいると行ってみたくなります(笑)実際、私もこの本を読んでUSJに行きたくなり、昨年9月に社員旅行で行きました(笑)
何と言ってもアイデアを生み出す「イノベーションフレームワーク」です。
この世の中で「いいアイデアをバンバン思いつけたら」と思っている人はたくさんいらっしゃることでしょう。
そんな方に是非身につけて欲しいのが「イノベーションフレームワーク」です。
大谷翔平選手がプロ入り前にドラフト1位になるための条件を明確にする目的で使った「マンダラート」や、トヨタの社内で問題解決を目的として「なぜなぜ法」など、世の中にはたくさんのフレームワークがありますが、それぞれ適材適所で万能なものはなかなかありません。
万能でない故に、現在自分が直面している課題を解決するためにどのフレームワークを使ったらいいのかを「判断」しなければならないのです。
この判断力が最終的なアイデアの質を左右するので、適切な判断ができる人はいいアイデアを生み出せる確率が高まるが、そうじゃない人はいいアイデアを生み出すことが難しくなるということがあります。でもイノベーションフレームワークはあらゆる問題を解決できる(おそらく)フレームワークです。
つまり、このフレームワークさえ知っていれば万全で、他のフレームワークは不要なのです。
書籍から引用させて頂きますが、イノベーションフレームワークは以下の図の通り、4つの要素から成り立っています。
出典:「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?(森岡毅著・角川文庫)」
次はそれぞれについて簡単に説明していきます。
フレームワークには以下の3種類があります。
アイデアを生み出すためにこの本で主に紹介されているのは戦略的フレームワークです。
先ほども書きましたが素晴らしいフレームワークです。詳しくは次の「5―(3)アイデアを生み出すフレームワークとしては最強?戦略的フレームワークについて」の項目で紹介しているので是非参考にして欲しいです。
そしてここで紹介している3つのフレームワークの目的は目的を達成するアイデアの必要条件を明確にする事にあります。つまり、適切なアイデアが埋まっている「場所」にアタリを付けることにあります。
釣りでいう「魚群探知機」の役割を果たすのです。
釣りも、いかに熟練者でも、いかにいい釣竿やルアーを使っても、そこに魚がいなければ意味がありません。
魚がいる場所を見つけるという意味で魚群探知機は非常に重要です。
アイデアも同じです。
目的を達成できる見込みがないアイデアをいくら探しても意味はありません。アイデアがある場所にアタリをつけて考えるべきことを明確にし、質の高いアイデアを思いつく確率を上げることがフレームワークの役割です。
次に紹介するのが「リアプライ」です。
フレームワークによりアイデアの条件が明確になったら、関連する情報・知識を吸収して、目的を達成できるアイデアを生み出すのです。
有名なビジネス書「アイデアのつくりかた」でも説明されていますが、アイデアは完全な無からは生まれません。既存のアイデアの組み合わせにより新しいアイデアが生まれるのです。
あのピカソですらそうでした。
ピカソは「優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」と言っていました。模倣と対比されていることから、ここで言う「盗む」はパクリではありません。他のアイデアのエッセンスを参考にして、より自分の直面している問題に適切なアイデアに昇華させることでしょう。
いずれにせよ、ピカソですらアイデアはゼロから生まれるものではないと言っているのです。
次にストックの話です。
ストックとは、リアプライ等の積み重ねで得た豊富な知識・ノウハウの集積のことです。
ストックがあることでいいアイデアを思いつきやすくなるし、そもそもアイデアを考えるべき必要性(問題点)にも気づきやすくなります。
森岡さんがUSJで様々なアイデアを思いつけたのも、ご自身のストック故だと仰ってます。
エンターテインメントが好きで、ゲーム、音楽鑑賞、観劇、映画などに費やした時間と情熱が半端じゃないとのこと。
実際、モンスターハンター4を2ヶ月弱で300時間もプレイされたと仰ってます。
忙しいはずなのに凄いですね。。。
でもこれらを経験する中で培った知識・ノウハウが重要で、これらがあるからこそ森岡さんはUSJで様々なアイデアを思いつけたようです。
最後はコミットメントです。
これは上の3つと異なり精神論。
具体的には「何が何でもアイデアを見つけ出す。思いつけないのはまだ見つけられてないだけだ」と思うことです。
アイデアを生み出すには情熱を持って徹底的にそのことを考えることが重要です。
ここをいかに集中してできるかでアイデアが生まれる確率と精度が変わってきます。
最後に、特に参考になる戦略的フレームワークについて簡単に説明していきます。
このフレームワークは考えるべきアイデアの必要条件を明確にすることが目的です。
そして、戦略的フレームワークは、上から
という流れで考えていくものです。
書籍の内容を引用させて頂くと以下の通りです。
出典:「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?(森岡毅著・角川文庫)」
同じく書籍の内容を引用して具体的な事例を紹介させて頂くと、森岡さんがUSJで「1000万人レベルの年間集客の達成」という目的を達成するために構築した戦略的フレームワークは以下の通りです。論理的で素晴らしいです。
出典:「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?(森岡毅著・角川文庫)」
今回は「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」の書評をまとめてみました。
最初からお話してますが、この本はビジネスをする上で本当に参考になります。購入しようか迷われている方は是非オススメです。
そして個人的にはこの本で紹介されているイノベーションフレームワークを使いこなせるようになりたいと思ってます!