記事LP
2023.7.10 (更新日:2026.4.29)
「この表現、薬機法的にアウトかもしれない……でも何がNGで何がOKか、正直よくわからない」
「LP入稿したらGoogleに審査拒否された。どこが問題なのか判断できない」
美容・健康食品・化粧品に関わる広告担当者やライターの方から、こういった相談を受けることが非常に多いです。
WonderSpaceではサプリメント・化粧品・美容医療・健康食品など、薬機法に関わる商材のLP制作・広告運用を多数手がけてきました。その経験からお伝えできる最も重要な教訓は、「薬機法の怖さは”うっかり違反”が起きやすい点にある」ということです。
「治る」「効果がある」などの露骨な表現だけが問題なのではありません。「飲むだけで」「即効性」「○○に効く」「医師も推薦」といった一見ありふれた表現でも、文脈によっては薬機法違反になります。そして2021年の改正で課徴金制度が導入されたことで、違反リスクは以前より格段に高まっています。
この記事では、薬機法の基礎知識からNG表現の具体例・OK言い換え・2026年時点の最新罰則・実践的なチェック方法まで、広告担当者が本当に知りたい情報を体系的に解説します。
読み終える頃には「今書いているLPのどこを直すべきか」がすぐわかり、社内チェック体制の整備にも使える状態になっているはずです。
薬機法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称です。2014年に旧薬事法から名称変更されました。
一言で言えば、「医薬品・化粧品・健康食品などに関する虚偽・誇大広告を禁止し、消費者を守るための法律」です。
| 対象カテゴリ | 具体例 |
|---|---|
| 医薬品 | 処方薬、市販薬(風邪薬、解熱剤など) |
| 医薬部外品 | 育毛剤、薬用化粧品、歯磨き粉(薬用)、入浴剤など |
| 化粧品 | スキンケア、ファンデーション、香水など |
| 医療機器 | メスや聴診器から美容機器・コンタクトレンズまで |
| 再生医療等製品 | 細胞加工製品など |
さらに広告規制の観点では、健康食品・サプリメント・ダイエット食品も「医薬品的な効能を謳う表現」を使った場合に規制対象となります。つまり、食品として販売していても「痩せる」「血糖値が下がる」などの表現を使えば薬機法違反になりえます。
薬機法上の「広告」に該当するには、以下の3つをすべて満たす必要があります。
つまり、LP・バナー広告・SNS投稿・メルマガ・口コミ投稿・インフルエンサーの投稿・ステマなど、あらゆる形式の情報発信が対象です。「個人のブログだから」「インフルエンサーに任せているから」という言い訳は通用しません。
2021年8月の薬機法改正で、広告規制に関して大きな変更がありました。広告担当者は必ず把握しておく必要があります。
2021年改正以前は、薬機法違反の広告に対する制裁は「行政処分(業務停止命令など)」と「刑事罰」が中心でした。しかし改正後、新たに課徴金制度が設けられました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課徴金の計算方法 | 違反広告を出していた期間中の「対象商品の売上高」の4.5% |
| 対象 | 虚偽・誇大広告を行った製造業者・販売業者 |
| 最低賦課額 | 225万円(課徴金が225万円未満の場合は不徴収) |
例えば、月商1,000万円の健康食品を6ヶ月間、誇大広告で販売していた場合:
6,000万円(売上)× 4.5% = 270万円の課徴金が科される計算になります。
また、違反広告を自主的に中止・申告した場合は課徴金が50%減額されるため、「気づいたらすぐに是正する」ことが重要です。
2023年10月には景品表示法のステルスマーケティング規制が施行されました。これにより、インフルエンサーや口コミサイトへの投稿についても「広告であることを明示しない場合」は景品表示法違反となります。薬機法との二重規制に注意が必要です。
ここからが本記事のコアです。実際の広告・LP制作で頻出するNG表現を、カテゴリ別に整理します。それぞれにOKの言い換え例も添えますので、そのまま実務で活用してください。
最もよくある違反パターンです。医薬品でない商品が「治る」「効く」などの医薬品的な効果を標榜することは禁止されています。
| ❌NG表現 | ✅OK言い換え例 | 違反理由 |
|---|---|---|
| 「アトピーが治る」 | 「乾燥による肌荒れが気になる方に」 | 疾病の治療効果の標榜 |
| 「がんに効く」 | 使用不可(健康食品では原則NG) | 疾病予防・治療の標榜 |
| 「血糖値が下がる」 | 「食後の血糖値が気になる方向けのサポート食品」(機能性表示食品の届出がある場合のみ) | 医薬品的効能の標榜 |
| 「飲むだけで痩せる」 | 「健康的なボディラインを目指す方のサポートに」 | 医薬品的効能+断定表現 |
| 「白髪が黒くなる」 | 「毛髪・頭皮環境を整える」(医薬部外品の承認範囲内で) | 医薬品的効能の標榜 |
化粧品は「人体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変える」ことを目的とするものであり、「皮膚・毛髪を健やかに保つ」効果の範囲内でしか効能を謳えません。
| ❌NG表現 | ✅OK言い換え例 | 違反理由 |
|---|---|---|
| 「シワが消える」 | 「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」(承認効能の範囲内) | 化粧品の承認効能を超えた表現 |
| 「シミが消える」 | 「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」(薬用化粧品かつ承認成分がある場合のみ) | 化粧品の効能範囲超過 |
| 「細胞を再生する」 | 「肌にうるおいを与え、キメを整える」 | 医薬品的な作用機序の標榜 |
| 「コラーゲンが増える」 | 「肌にハリ・弾力を与える」 | 体内への作用を断言する表現 |
⚠️ 化粧品として使える効能の範囲は、厚生労働省の「化粧品の効能の範囲」に56項目が明記されています。この範囲内であれば広告に使用可能ですが、範囲外は原則NGです。
体験談や口コミは「第三者の声」として信頼性が高く見えますが、薬機法上は広告主の表現と同等に扱われます。
| ❌NG表現 | ✅OK言い換え例 |
|---|---|
| 「3kgやせました!(お客様の声)」 | 「継続的な運動と食事管理とあわせてご使用いただいたお客様の声をご紹介します」+個人の感想である旨の明記 |
| 「1週間でシミが消えた(使用者談)」 | 体験談として使用不可。「使用感」の範囲に留める |
| 「医師も推薦!」 | 「皮膚科医が処方した成分を配合」(事実で、承認範囲内の場合) |
重要:2023年の景品表示法改正により、体験談がステマに該当する場合は景品表示法違反にもなります。インフルエンサー・モニター投稿には必ず「#PR」「#広告」を明記しましょう。
| ❌NG表現 | ✅OK言い換え例 |
|---|---|
| 「医師が推薦する○○」 | 「皮膚科専門医 ○○先生が開発に携わりました」(事実で医師の同意がある場合) |
| 「○○病院で処方されています」 | 使用不可(虚偽の場合は特に厳禁) |
| 「厚生労働省認定」 | 正確な認定・承認内容のみ記載可 |
| ❌NG表現 | ✅OK言い換え例 |
|---|---|
| 「日本No.1の美容液」 | 「○○調査(2025年)による販売数量No.1」(調査根拠が明確な場合) |
| 「他社製品の3倍の効果」 | 根拠がない場合は使用不可 |
| 「最強の○○」 | 「高濃度処方の○○」(根拠があれば) |
「実際に摘発されるのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。近年は行政による取り締まりが強化されており、中小企業・個人も対象になっています。
あるサプリメント販売会社が、自社ECサイトに「○○成分でがん細胞の増殖を抑制」という表現を掲載。消費者庁から行政指導を受け、即日表現の削除と再発防止策の実施を求められました。
サプリメントは食品であり、がんの予防・治療効果を謳うことは医薬品的効能の標榜として明確なNG。「論文で証明されている」という根拠があっても、食品広告では使用できません。
2021年の課徴金制度導入後、「医薬部外品として承認されていないにもかかわらずシワ改善効果を謳った」化粧品メーカーに対して課徴金が課されました。
シワ改善は「医薬部外品(薬用化粧品)」として承認を受けた成分・製品のみ謳える表現です。通常の化粧品では使用不可です。
健康食品メーカーがインフルエンサーに依頼し、「#PR」の表記なしで「1ヶ月で5kg減量できた!」という投稿を行わせたケース。景品表示法のステマ規制と薬機法(誇大広告)の双方で問題となりました。
メーカー側も「インフルエンサーが自主的に書いた」という主張は認められず、広告主として責任を問われました。
薬機法違反に対する制裁は3段階あります。
| 制裁の種類 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 行政処分 | 業務改善命令、業務停止命令(最大1年)、許可取消し | 企業・販売業者 |
| 課徴金 | 違反期間中の対象売上の4.5%(最低225万円) | 企業 |
| 刑事罰 | 2年以下の懲役または200万円以下の罰金(法人は1億円以下) | 個人・法人 |
特に注意が必要なのは、広告を実際に掲載したメディア・代理店も「広告主」として処分の対象になる場合があるという点です。「クライアントに言われたから書いた」という言い訳は通用しないケースがあります。
また、課徴金は「故意・過失を問わない」制度です。うっかりNGな表現を使い続けていた場合も対象になります。
「どうチェックすればいいか」という実務的な疑問にお答えします。
薬機法の広告規制の詳細は、「医薬品等適正広告基準」(厚生労働省)に定められています。また、商材のカテゴリごとに以下のガイドラインも参照してください。
LP・広告文を作成したら、以下の観点でチェックする習慣を作りましょう。
最近では、AIを活用した薬機法チェックツールも登場しています。完全な精度ではありませんが、初回のスクリーニングに活用することで、明らかなNGを事前にはじけます。
実は、Google広告やMeta(Facebook/Instagram)広告の審査は、薬機法の観点からもある程度機能しています。「審査が通れば薬機法OK」ではありませんが、審査落ちした表現は薬機法上も問題がある可能性が高いと判断の目安にできます。
WonderSpaceでは、LP制作・広告運用の段階から薬機法の観点でのチェックを行い、広告審査通過率の向上も支援しています。
薬機法だけでなく、広告担当者が知っておくべき関連法律があります。
消費者庁が管轄する法律で、「優良誤認表示」「有利誤認表示」「ステルスマーケティング」を禁止しています。
罰則:措置命令・課徴金(売上の3%)・最大2年の懲役または300万円以下の罰金
食品全般(健康食品・サプリ含む)の誇大広告を禁止する法律です。薬機法と重複して適用されるケースがあります。「著しく事実に相違する表示」や「著しく人を誤認させる表示」が対象です。
競合他社の商品・サービスについて虚偽の事実を述べたり、商品の品質・内容について誤解させる表示を行ったりすることを禁止します。「他社製品と比べて○倍の効果」という根拠のない比較表現が問題になるケースがあります。
競合他社や他メディアの画像・テキストを無断で使用することは著作権侵害です。「参考にして似たような文章を書く」場合でも、表現が酷似していると問題になることがあります。
この記事でお伝えした内容を振り返りましょう。
📌 薬機法の基本
📌 特に注意すべきNG表現5カテゴリ
📌 実践チェック4ステップ
薬機法で最も危険なのは、「知らずに違反し続けること」です。課徴金は「違反期間中の売上×4.5%」が課されるため、長期間見過ごされると高額になります。
逆に言えば、「正しい表現ルールを理解すれば、法律に違反せずに十分に魅力的な広告を作ることができます」。「効果を伝えたいが何がOKかわからない」という状態から卒業し、自信を持って広告・LPを作れるようになることが、この記事の目的です。
薬機法対応のLP制作・広告運用について、「自社の表現が問題ないか確認したい」「薬機法を踏まえた効果的なLPに作り直したい」とお考えでしたら、株式会社WonderSpaceにお気軽にご相談ください。