士業
2024.11.29 (更新日:2024.11.29)
「税理士事務所を開業したけれど、集客が思ったようにいかない…」
「今以上に顧問契約を増やしたい」
税理士が実際に開業してみると、思い通りにいかないことも多く、後悔の声が多いのが現実ですが、必要な対策をすることで将来的に活躍し成功できる可能性は十分あります。
この記事では、下記内容に沿って、税理士が後悔せず安定的に経営するために必要な情報をまとめています。
・税理士が開業後に後悔する理由
・税理士が開業後に後悔する人の共通点
・税理士が開業後に後悔しないための準備と対策
税理士事務所の廃業は増加傾向にあります。株式会社帝国データバンクが発表した2023年の全国企業「休廃業・解散」動向調査によると、業種別で廃業件数が前年に比べて最も大幅に増加したのが「税理士事務所」でした。
具体的には、2022年の30件から2023年には81件と170.0%増加しています。この背景には、顧問先の減少、単価の低下など、税理士業界特有のさまざまな課題が影響していると考えられます。
税理士が事業を続けていくうえで、今まで以上に経営戦略や業務の見直しが求められているのです。
参照:株式会社帝国データバンク「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2023)」
税理士として実際に開業してみると予期せぬ課題に直面し、後悔することが少なくありません。ここからは、開業後にどのような後悔があるかをご紹介します。
新規顧客を開拓するには、想像以上に多くの労力と時間がかかることも多いです。特に、開業初期の段階では実績が少ないため、信頼を得るまでに時間を要することが珍しくありません。
税理士業務においては顧客との信頼関係が非常に重要で、信頼を得るためには、まずは実績や経験を積み重ねていく必要があります。
会社員時代と異なり、独立後は毎月の収入が大きく変動することがあります。特に、確定申告の繁忙期とそれ以外の時期で大きな差があることも少なくありません。
安定した経営を続けるためには、資金繰りを管理することが重要です。収入の不安定さを想定した上で、計画的に資金を確保することが求められます。
開業間もない場合、顧客を獲得するために低価格での受注になる場合もあります。しかし、低価格での受注が続くと、経営を圧迫する原因になりかねません。
また、低価格の競争に巻き込まれることで、価格競争が続くと、顧客が価格を最優先で選ぶようになり、品質やサービスの差別化が難しくなります。その結果、価格を下げ続けることになり、利益が圧迫される可能性も考えられます。
親の介護や突発的な出来事で、仕事にかけられる時間が制限せざるを得ないこともあります。特に、親の介護が必要になった場合、仕事に割ける時間やエネルギーが限られるため、日々の業務に支障が出ることがあります。
例えば、急な対応が求められる場面で仕事を休むことになった場合、顧客とのコミュニケーションや対応に遅れがでることがあり、結果として信頼関係に影響がでる恐れもあります。
また、開業して間もない段階では、自分一人で業務を回すことが多いため、私生活の変化が業務全体に大きな影響を与えることも少なくありません。急な対応が必要となった場合に、顧客対応に影響が出ることも考えられます。
開業後に後悔する場合には、いくつかの共通した特徴が見られます。ここからは、主な3つの共通点について解説します。
開業資金や運転資金が十分に確保できていないと、開業後に資金繰りで苦労することが多くなります。予想以上に初期費用がかかる場合は、資金面で苦労するケースもあります。
また、集客計画が整っていないまま開業してしまうと、顧客を増やせず経営が安定しない可能性もあります。準備不足で開業すると収益の安定が難しくなり、営業活動に苦戦することも多いでしょう。
税理士として後悔しない開業をするためには、専門的な知識だけでなく、営業や集客についてのスキルも不可欠です。税理士業務はただ業務をこなすだけではなく、顧客を獲得し、信頼を築いていくことが求められます。
特に開業当初は、顧客数が少ないため、集客にかける時間や労力が増えるでしょう。まずは顧客獲得が重要な課題になるため、営業活動の計画をしっかり立てておく必要があります。
税理士として開業する際、仕事と家族生活のバランスを取ることは重要な課題です。特に開業初期は業務に多くの時間をかける必要があり、長時間働くことが必要な場面も多くなるでしょう。
しかし、家庭内で突発的な出来事が起こることもあります。例えば、親の介護や子育ての負担などがあった場合、急に仕事に費やす時間が制限されることも考えられます。仕事に専念できる時間を確保するために、開業前に家族としっかりと話し合い、仕事と家庭の役割分担を明確にしておくことが大切です。
税理士として開業を成功させ、後悔のない経営をするためには、事前準備が重要です。ここからは、開業前に行うべき5つの準備について解説します。
税理士として安定した経営を実現するためには、開業前に顧問先をある程度確保しておくことが重要です。
例えば、開業前に見込み顧客をピックアップして、開業後にスムーズに契約を結ぶために、あらかじめ関係を築いておくと良いです。具体的には、開業前に顧客と面談を行い、独立する意思を伝え、内容や料金体系について説明しておくことで、顧問契約を結びやすくします。
また、知人や紹介を通じて見込みのある顧客をリストアップしておくことも効果的です。例えば、友人やビジネスのネットワークに、経営者やフリーランスの個人事業主がいれば、自分のサービスを紹介してもらうことができます。紹介がきっかけで、新たな顧客を得ることも可能です。
開業前に顧問先をある程度確保しておくことで、開業後に安定した収入を得やすくなるでしょう。
開業後に安定して運営するためには、ある程度の運転資金を確保することが大切です。開業資金や事務所の設立にかかる初期費用を見積もり、開業後の運転資金を十分に確保しておきましょう。
運転資金には、オフィスの賃料、光熱費、通信費、広告宣伝費などの固定費が含まれます。また、事務所運営に必要なIT機器や日常的にかかる雑費なども考慮して予算を組み立てると良いでしょう。
開業初期は顧客獲得が安定するまで時間がかかるため、収入が不安定になることも予想されます。そのため、少なくとも数ヶ月分の生活費を含めて余裕を持った予備費を準備しておくことが不可欠です。
運転資金を準備することで顧客開拓に集中できる環境が整い、安定した経営基盤を築くことが可能になります。
税理士事務所が他事務所に勝ち抜くためには、差別化が必要です。具体的には、得意分野を明確にし、特定の業種や企業規模に特化する方法があります。たとえば、医療業界や製造業などに特化することで、専門性をアピールできます。
また、税務業務だけにとどまらず、経営コンサルティングといった付加価値の高いサービスを提供することも差別化のポイントです。他事務所と差別化を図るために戦略を立て、ターゲット顧客に自事務所の価値を伝えていきましょう。
集客を効率的に行うためには、WebサイトやSNSを活用したオンラインマーケティングを計画しておくことも重要です。
特に、税理士事務所の場合、SEO対策やGoogle広告などを活用した集客方法も効果的です。SNSを通じて専門的な情報を発信し、ターゲット顧客との接点を増やす方法もあります。
さらに、既存顧客からの紹介や、セミナーを開催して直接的な関わりを増やすことも新規顧客獲得に繋がります。顧客からの信頼を得るためにも計画的に取り組み、効率的な広告宣伝の方法を練っておきましょう。
経営を安定させるためには、付加価値の高い業務に集中できる体制を整えることが重要です。業務の効率化をするために優先順位を明確にし、アウトソーシングできる業務は外部に任せ、効率的な業務フローを整えましょう。専門性を活かした付加価値の高い業務に集中することで、顧客により質の高い仕事を提供できます。
税理士が安定した経営を継続していくためには、税務業務だけでなく、さまざまなスキルと知識が求められます。特に集客に力を入れたい場合は、予算感や集客方法のメリット・デメリットをしっかりと把握し、最適な手法を選ぶことが重要です。特に、オンライン集客は、費用対効果を得やすく、広告を初めて出す方にも非常に有効な手段です。
WEBマーケティングに強みを持つWonderSpaceでは、集客手法や効果的な広告戦略について専門的なアドバイスを提供しています。無料相談も行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。