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2023.11.9 (更新日:2023.11.9)
2022年4月にJRの150周年を記念して開催されたキャンペーン。
日本各地の駅でデジタルスタンプを集めることができるWEBアプリで、
カンヌライオンズ2023でインダストリークラフト部門のグランプリを受賞しました。
出典:https://railway150.jp/contents/stamp/pc/
▲スタンプを押せる駅がないかつい探してしまう。
課題:
鉄道と人の結びつきが弱い
ターゲット:
日常で鉄道を使う老若男女
ターゲットインサイト:
・鉄道はあって当たり前、特別な思い出は特にない
・電車での通勤時間が憂鬱
コアアイディア:
・スマホでできるスタンプラリー
→電車からわざわざ降りなくても位置情報で該当駅にいればスタンプを押せるため、移動時間が楽しくなる
→ミッションをクリアするとオリジナルグッズがもらえる制度を取り入れることで、ゲームのような感覚で取り組める
・人には収集癖がある
→多くのスタンプを集めたくて行ったことのない場所にも行きたくなる
結果:
サービス開始1年で利用者12万人を突破。
課題:150周年という節目を迎えるものの、鉄道が身近になりすぎているがゆえに鉄道への関心が薄れてしまっている
ターゲット:日常的にJRの鉄道を使用するビジネスパーソンや学生
ターゲットインサイト:日常に馴染みすぎて顧みるという思考に至らないし機会もない
コアアイディア:スマホで簡単にできるスタンプラリーで駅や鉄道に触れる理由を作る
・毎日通る駅が対象になっていることで自分事化しやすい
・収集に夢中になる、楽しんでいるうちに気づいたら歴史などにも触れている(広告感がないのに近い)
・コロナ禍でもスタンプラリーの本来の面白さを損なわない
→スマホながらに本物のスタンプのようなビジュアル(かすれなど)でリアルな体験ができる
→コロナで不特定多数がスタンプを触ることへの抵抗感をスマホで払拭している
・レトロブームで社会的にも注目されやすい
課題:電車の利用者の鉄道に対する関心度が低くなっていること
旅行者が国境が開いたことで再び増加することが見込まれるため、鉄道の利用数にブーストをかけたい
ターゲット:JRの利用者(主に通勤や通学で電車を使う人)、海外からの旅行客
ターゲットインサイト:「ただの移動」に価値を付与する
・日本人は収集癖がありがち
・旅行客は思い出を形に残したい
コアアイディア:
・競争心を煽る
・動画内の口コミに「自分が1番だと思ってたけど先に2人いた」といった投稿があったため、インタラクティブな要素を盛り込む
人は五感をより多く刺激されることを求める(私の持論)ため、普通の鉄道では中々使わない皮膚感覚をプロモーションを通して刺激したことが成功要因だと考えました。
同じキャンペーンでも人によって捉え方が変わるのは面白いですね!
個人的には、大人になってわざわざスタンプを押しに行くことに少し抵抗感を感じるけれど、スマホ内で完結するからひっそりと楽しめるし、スタンプの絵柄でいつも通過するだけの駅について知ることができ、立ち寄りたくなる仕組みが面白かったです。
※個人の見解です。