YouTube広告
2021.12.9 (更新日:2022.7.15)
近年、YouTube、SNSで漫画広告が増えてきました。漫画広告はアニメーションよりもストーリー性があり、最後まで視聴してもらいやすいことがメリットです。成功事例も数多く聞かれるなか、導入を検討している方もいることでしょう。
そこで本記事では、YouTubeの漫画広告に興味があるものの「何から始めればいいかわからない」と悩む方に向け、漫画広告の活用法、メリット・デメリット、広告制作から出稿までの流れ、注意点などを解説します。まずは漫画広告の特徴を知ったうえで、自社施策に取り入れていきましょう。
YouTube広告に積極的に取り組む株式会社WonderSpace編集部がまとめた内容なのできっと参考になるでしょう!ご参考になれば幸いです。
目次
YouTubeの漫画広告とは、漫画・ナレーション・効果音を使用した、ストーリー形式の広告です。名前のとおり漫画の形式を利用して、自社商品・サービスをわかりやすく伝えられることが特徴です。漫画広告はYouTubeの動画広告を利用して配信できます。
漫画広告と似たものにアニメーション広告があります。アニメーション広告は、広告内容をアニメーションで説明するタイプで、漫画広告と区別される種類です。アニメーション広告ではストーリー性がなく、商品のイメージや特徴を訴求する動画が多い傾向にあります。
YouTubeの漫画広告の活用方法は、以下のように幅広くあります。
YouTube漫画広告の活用ポイントは以下の4つです。
それぞれ詳しく解説します。
YouTubeの漫画広告は、最初の5秒で伝えたいことをまとめることが重要です。その理由は、以下の3つです。
したがって、最初の5秒間にメインメッセージとブランド名の2つを含めます。最も簡単な方法としては、冒頭に「資格取るなら○○」「リフォームのことなら○○」などのフレーズを、漫画のストーリーとは別に入れる手法がよく使われます。
また、「つかみ」となるインパクトのある出来事や状況を1~2カットで表現することも重要です。最初の5秒で「続きを見たい」と思わせることが、YouTube漫画広告の成果を左右します。動画の冒頭だけを変えてABテストを行い、反応がよかったパターンを採用するのも効果的な方法です。
迫力ある演出で没入感を与えたり、特徴的なキャラクターで引き付けたりするなど、視聴者の興味を持続させる動画制作が重要です。YouTubeのターゲティング機能を活用して広告配信するなら、ターゲットの興味・関心、年代などに合わせて広告制作することで、効果を高められるでしょう。
また、漫画広告は実写動画と違って自由度が高いため、アイデア次第でユーザーが続きを見たくなる動画を制作できます。たとえば、海底や宇宙空間などシチュエーション設定を自由にでき、出演者の外観も柔軟に調整できます。いかに最後まで見てもらい、興味を持ってもらうか、視聴者目線で制作しましょう。
YouTubeの漫画広告はストーリーによって商品・サービスのよさを伝えられますが、情報を盛り込みすぎないように注意しましょう。伝えたいことを全て盛り込んでしまうと、情報が散らばり、視聴者が動画に集中できなくなってしまいます。
漫画広告は1分間で2,000文字もの情報を伝えられるポテンシャルを持っているとされています。キャラクターの表情や共感を呼ぶストーリー展開によって、自社が訴求したいポイントを直感的に伝えられるからです。イメージの力を使えば、多くの広告内容を短時間で伝えられます。
もし、詳細な仕様や注意事項などを伝えたい場合は、広告にリンク先を設けましょう。広告と遷移先のWebサイトで役割分担することで、イラストやストーリー性のメリットをより活かせます。
YouTubeの漫画広告にも、当然ながら薬機法・景表法が適用されます。これらに違反すると、措置命令、業務停止命令、業許可の取消し、課徴金などのペナルティが課せられるため、十分注意しましょう。一度ペナルティを受けると、広告掲載審査も通りにくくなります。
また、法律の範囲内であっても、過度な表現はイメージダウンにつながります。そうなれば、短期的に商品が売れたとしても長期的に企業の信頼度が下がり、事業に影響が出てしまいます。YouTube広告でも公共の場の広告と同じ意識で、クリーンな広告制作をおこないましょう。
YouTubeの漫画広告にはメリット・デメリットの両面があります。特徴を知って効果的に活用することが重要です。
漫画広告のメリットは、訴求力の高さ、低コスト、最後まで視聴してもらいやすいの3点です。
YouTubeの漫画広告はストーリー構成次第で、具体的な内容を短時間で伝えられることがメリットです。「起承転結」のストーリー展開で、視聴者の心を動かし、望ましい行動を喚起できます。
YouTubeの漫画広告で典型的な構成は「つかみ→問題発生→克服のきっかけを得る(商品と出会う)→商品紹介→問題解決」という流れです。この構成によって、視聴者は漫画の主人公に共感して具体的なメリットのイメージを持ち、訴求ポイントに説得力を感じます。
YouTubeの漫画広告は、実写やフルアニメーションの動画広告と比較すると、低予算で制作できます。制作会社に動画制作を依頼しても、1本20~30万円程度の費用で収まります。
さらに、フリーランスのイラストレーターや声優に依頼すると、10万円程度で制作できます。とはいえ、低予算で広告制作できても成果が上がらなければ意味がありません。広告費トータルでの費用対効果を高めるには、漫画や動画広告の知見・経験のある方に依頼することが大切です。
YouTubeの漫画広告は、ストーリーの結末が気になって、ついつい最後まで見てしまうことが特徴です。一度読者の興味をつかめば、途中でスキップされる可能性が他の広告に比べて低くなります。
このことは、一般的な動画広告が長くても30~60秒程度であるのに対して、2~10分の長尺の漫画広告がめずらしくないことでもわかります。日本では子どものときから漫画に親しんでいる方が多いため、広告であっても抵抗感なく受け入れてもらいやすいことがメリットです。
漫画広告のデメリットは、不快感を与えるリスク、審査が厳しい、制作指示に手間がかかることの3点です。
漫画広告は訴求力が強いだけに、表現方法や構成・訴求の仕方によっては、自社の商品・サービスあるいは会社自体にネガティブなイメージを持たれかねません。近年問題となっているのは、視聴者のコンプレックスを刺激するような「コンプレックス商法」と呼ばれる漫画広告です。その一部はSNSなどで炎上し、広告主は大きなダメージを受けました。
不快感を与えやすい原因は、多くの漫画広告が「問題発生→自社商品による課題解決」という構成にするためです。たとえば「吹き出物に悩んでいる→自社商品に出会って悩みが解決する」という構成では、結末のベネフィットをアピールするために、初めを過度にネガティブに表現してしまいがちです。その結果、視聴者に不快感を与えてしまいます。
YouTubeの漫画広告の審査は、コンプレックス商法の広告や信憑性が低い広告、わいせつな広告などが増えた結果、厳しくなっています。一定のクオリティを保てば問題なく配信できますが、Web広告全般より基準が厳しいと考えておきましょう。
特に配信停止のリスクが高いのは、条件を指定して配信するターゲティング広告です。YouTubeを運営するGoogleでは、コンプレックスや外見に関する情報を「デリケートな性質」として禁止次項に含めています。コンプレックスを刺激する広告は、この条項に触れるため、審査に通らない可能性が高くなります。
YouTubeの漫画広告は企画・構成、シナリオ作成、漫画を描く、セリフを吹き込む、動画編集など工程が複雑で、制作会社とのやり取りに手間がかかりがちです。
漫画広告は自由度が高い分、しっかりディレクションしないと、希望通りの広告を納品してもらえません。特に、フリーランスのイラストレーターや声優に依頼する場合は、細かなところまで指示しないと、企画・構成を適切に反映してもらえなくなってしまいます。
そのため、動画マーケティングの経験がある代理店にサポートを依頼したりして効果のある動画を制作するほうが効率的です。重要な企画・構成の段階から任せられるので、マーケティング効果の高い内容になります。また、広告意図を伝えているので、画風や演出方法も適切に調整してもらえます。
YouTubeの漫画広告を依頼した場合の目安は以下のとおりです。
制作会社に依頼する場合は、どの段階まで関わるかによって金額が変わると考えておきましょう。たとえば、企画・構成の前準備として、Webコンサルティングや広告戦略立案などを依頼できます。また、漫画広告配信後の効果検証を請け負っている制作会社もあります。
これらのマーケティングは専門的なノウハウが必要です。マーケティングを含めて依頼したい場合は、広告制作だけでなくマーケティングに知見のある会社に依頼することをおすすめします。
ここでは、漫画広告制作の依頼から出稿までの一般的な流れを、5つのフェーズに分けて解説します。
漫画広告を行う自社商品・サービスを決めます。この際、漫画広告に適しているかどうか、漫画広告に興味を持つユーザー層と顧客層が一致しているかなどを検討しましょう。メリット・デメリットを比較して、成果を出せると見込める商品・サービスに絞ることが重要です。
漫画広告の制作を依頼する会社やクリエイターを決めます。制作会社によって、企画・構成から制作まで一貫して請け負っている業者や、漫画のクオリティに強みを持つ業者などがあります。自社の目的によって選びましょう。
打ち合わせの際には、おおよその予算とイメージしている漫画広告を伝えておくと、その後のやり取りがスムーズになります。
どのような訴求にするか、どのような構成・シナリオにするか決めます。企画立案で重要なポイントは、訴求するターゲット像を明確にしておくことです。これによって、訴求ポイントが異なり、漫画の設定やテイストの方向性も決まるからです。
また、構成・シナリオでは、商品認知や自社サイトへの遷移などのゴールをまず設定した後、効果的なプロットを検討しましょう。特に冒頭の5秒間と重要メッセージを伝えるまでの展開とタイミングは重要です。
これらは、漫画広告の成果を左右するる重要なプロセスであるため、自社で作成するのが不安な場合は、制作会社やクリエイターと相談して決めましょう。必要に応じて、この段階からマーケティングに知見のある制作会社やWeb広告代理店にサポートしてもらうのもよい方法です。
絵コンテやBGM、ナレーションのタイミングなど随所でイメージのすり合わせをおこないながら、クオリティの高い動画を制作していきます。具体的には、「セリフに合わせて自然に口を動かす」「重要メッセージに注目してもらえるように、登場人物の手足を動かす」などの調整をしていきましょう。
完成度を高めるには、制作会社やクリエイターとのコミュニケーションが重要です。丁寧なディレクションとオープンな意見交換を重ねることで、自社商品のイメージに合った漫画や演出にしてもらえます。声優や動画編集者を個別に雇う場合は、作業の段取りも大切です。
Google広告アカウント、YouTubeチャンネルなどのアカウントを開設して広告を出稿します。
ここでは漫画広告制作で注意しておきたい、商材との相性、著作権、制作会社の選び方について解説します。
商材が漫画広告に適しているか検討しましょう。一般的に漫画広告と相性が悪いと言われているのは、以下のような商材です。
漫画広告にはデメリットもあるため、目的を達成する手段として適切かどうかの判断が必要です。
制作した動画の帰属先やキャラクターの著作権などを確認し、二次利用に注意しましょう。
たとえば、漫画の著作権はイラストレーターがにあります。契約書で権利を移転するように明記しておくことが必要です。
また、クリエイターの名誉や作品への思い入れを守るために「著作者人格権」という法律もあります。断りなくキャラクター設定を変えるなどすると、著作者人格権に違反する場合があるので注意しましょう。
マーケティングの知見が乏しい制作会社に依頼することは、非効率な広告運用になるリスクを伴います。漫画広告といってもWeb広告の一種なので、Webマーケティングの観点なしに制作できないからです。いくらイラストレーターや動画編集の技術が高くても、ユーザーニーズと合ってなければ、漫画広告を視聴してもらえません。
そのため、マーケティングの知見を持つ制作会社に依頼するか、Web広告の代理店を間に入れて企画・構成・運用までサポートしてもらうことが、リスクの少ない方法です。
漫画広告はストーリー性のある広告のため、サービスを伝えやすいことが特徴。自分のビジネスに漫画広告が合っていると思ったら始めてみましょう。Webマーケティングのサポートを行ってきた弊社なら、YouTube広告出稿もお手伝いできるのでご相談ください。